ぱいーぐるの恩返し第6弾は、カンムリワシの保護活動や保護推進に関連した八重山の特産品を紹介していきます。
カンムリワシは、文化庁より「
国指定特別天然記念物」に指定され、環境省では「
国内希少野生動植物種」として保護対象となっています。また、環境省レッドリストでは最も危機的な「
絶滅危惧IA類」に分類されている、非常に貴重な生き物です。
「絶滅危惧IA類」とは「このままでは野生で生き残ることがほぼ不可能になる」レベルで危機的な状態にある種のことを指します。
なぜカンムリワシの保護が必要なのかを知っていただくとともに、保護活動に関連した素敵な八重山の特産品もぜひご覧ください。島の自然と共に生きる
カンムリワシの未来を守るために、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
また、カンムリワシ守り人プロジェクトではカンムリワシに限らず、八重山諸島に生きる野生動物や豊かな自然環境の保護にも目を向け、「生物多様性」「持続可能な未来」「エコツーリズム」 などの視点を取り入れながら、島の魅力や環境に配慮した商品をさらに充実させていきます。
自然と共生しながら未来へつなぐ、新たな取り組みに挑戦している事業所などにもご注目していただき、ご購入につなげていってもらえれば幸いです。
「
ぱいーぐるのカンムリワシ守り人プロジェクト」では、一人ひとりがカンムリワシと八重山の自然を守る「
守り人」となり、未来へつなぐ活動を広げていくことを目指しています。
ぜひこの機会に「
カンムリワシ守り人プロジェクト」に参加し、一緒に「
守り人」としてカンムリワシと島の豊かな自然を支えていただけると大変嬉しく思います。
リュウキュウカンムリワシの希少性
ぱいーぐるのモチーフになっているカンムリワシは、日本では石垣島や西表島など、
八重山地方にのみ生息しているカンムリワシの
固有亜種のリュウキュウカンムリワシです。
その数は約200羽ほどといわれる非常に珍しい鳥です。
この限られた島々でしか見ることができない希少な存在であり、美しく愛らしい姿を持ちながらも、生命力の弱さから現在では保護なしでは種としての生存が難しいとされています。
カンムリワシの生息地は湿地、水田や畑、マングローブ林などですが、近年の生活様式の変化により、住宅地や商業地などの開発が進みました。その影響で、餌となる生物が減少し、生息地も狭まることで、今では希少な生物として指定されるようになりました。
また、のんびりとした性格に加え、道路を狩り場として捉える習性が生まれたことで、交通事故(ロードキル)の被害も増加しています。さらに、1年に1つしか卵を産まない繁殖力の低さも、個体数が増えにくい大きな要因となっています。
現在、多くの機関が協力し、弱った個体の治療やリハビリ、追跡調査などを進めていますが、未来にカンムリワシの姿を残すためには、さらなる努力が必要です。
個体そのものを守る「個体治療」に加え、生息地減少を防ぐ活動やロードキル対策を呼びかける「環境治療」も欠かせません。
希少な生き物を守ることは、日本が育んできた自然や歴史を未来へつなぐことにもつながります。
カンムリワシがこれからも八重山の空を舞い続けられるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。
リュウキュウカンムリワシの魅力
カンムリワシは、日本では八重山諸島の石垣島や西表島にのみ生息する希少な鳥類で、国の特別天然記念物に指定されています。
全長は約55~60cm、翼を広げると1m以上にもなり、がっしりとした体つきと、鋭いくちばし、力強い脚が特徴です。主にカエルやヘビ、甲殻類を捕食し、森林や湿地、水田、マングローブ林といった環境に生息しています。
名前の由来となった「冠羽(かんう)」は、後頭部に白い羽毛が混じる立派な羽で、怒ったときや強い風を受けたときに立ち上がり、まるで冠をかぶっているように見えることから「カンムリワシ」と名付けられました。
そしてカンムリワシは、成長段階によって羽の模様や色合いが変化し、独自の美しさを持ちます。
特に幼鳥期は、地元で「アヤパニ」と呼ばれ、その愛らしい姿で多くの人々に親しまれています。
石垣島ではアヤパニをモチーフにした商品などもあり、その可愛らしさと穏やかな性格で、多くの人々の心を癒しています。
幼鳥(画像左):「アヤパニ」と呼ばれる白くふわふわした羽毛が特徴
若鳥(画像中):成鳥になる過程で、まだら模様が目立つ中間の姿
成鳥(画像右):斑点模様がはっきりとし、翼を広げたときの模様が美しく整う
なぜカンムリワシの保護が必要なのか?
カンムリワシは、現在約200羽ほどしか生息しておらず、毎年の死亡数が誕生数を上回る厳しい状況にあります。その最大の原因は、人間の活動による環境の変化と生息地の減少です。
特に
救護が必要となる主な原因は、「交通事故」と「幼鳥の衰弱」です。
交通事故(ロードキル)の危険性
1羽の命も貴重なカンムリワシにとって、交通事故は大きな脅威です。特に、交通量の多い道路やスピードが出やすい直線道路では、事故が多発しています。
カンムリワシは、あまり広くない範囲の縄張りを持ち、同じ場所で生活する習性があります。しかし、都市開発などにより生息地が変わると、新しい環境に適応するまで時間がかかるため、危険な道路に出ることも増えてしまいます。
鋭い見た目とは裏腹に、カンムリワシは
「待ち伏せ型」の狩りスタイルを持ちます。動く獲物を追いかけるのではなく、高い場所から地面を見つめ、止まっている獲物に向かって降りて捕らえます。ときには道路で死んでいる餌を探すこともあり、これが事故の要因になっています。
また、ワシの仲間としては体格が小さく、省エネルギーで生きるための進化を遂げた結果、運動能力も高くありません。飛ぶときも車と同じ高さで並走するように飛ぶことがあり、その習性がロードキルのリスクを高めています。
しかし、法定速度での事故は防げるという研究結果も出ており、制限速度内での運転を心がけることが大切になります。
幼鳥の衰弱
カンムリワシの生息地である湿地や水田や畑、マングローブ林は、人々の生活の変化とともに住宅地、商業地、観光開発へと変わりつつあります。その結果、カンムリワシの餌となるカエルやヘビ、カニなどの小動物が減少し、狩りが難しくなっています。
特に、幼鳥は親から独立する冬季(12月~3月)に十分な餌を確保できず、衰弱するケースが多く見られます。まだ狩りに慣れていない幼鳥は、餌の見つけ方や捕まえ方を習得するまで時間がかかります。そこに冬の寒さと獲物の減少が重なり、生存率が低くなるのです。
また、開発によって生息地の分断が進み、縄張りを確保できない個体も増えています。本来、十分な餌が得られるはずの環境が消えつつあることも、幼鳥の衰弱につながっています。
カンムリワシがこの先も生き延びられるよう、生息環境の保全と餌場の確保に向けた取り組みが求められています。
このような現状を踏まえ、カンムリワシの保護には個体の救護活動とともに、生息地の維持・保護、ロードキル対策の強化が欠かせません。
特に冬季、石垣島で車を運転する際は、法定速度を守り、安全運転を心がけることがカンムリワシの命を守る大きな一歩となります。
カンムリワシ運転注意マップ
カンムリワシ運転注意マップはこちらからダウンロードできます
カンムリワシは、道路上や側溝で餌を探していることが多く、さらには木や電柱から急に飛び降りてくることもあります。また、運動能力があまり高くなく、飛ぶのが苦手なため、車と並走するように飛ぶこともあるので、特に注意が必要です。
予測できない動きをすることがあるため、スピードを落とし、周囲に気を配りながら運転することが、カンムリワシの命を守ることにつながります。
「よんなー、よんなー(ゆっくり、ゆっくり)」の心がけで、安全運転をお願いします!
道路などでケガをしたカンムリワシを見つけた際は、速やかに専門機関へご連絡をお願いいたします。
・石垣島
環境省 石垣島自然保護官事務所 TEL 0980-82-4768
石垣市教育委員会 文化財課 TEL 0980-83-7269
・西表島
環境省 西表野生生物保護センター TEL 0980-85-5581
八重山のカンムリワシが危ない状況にあること。少しは伝わったかな?
そんななかでも多くの人たちがカンムリワシや自然保護のためにがんばってってくれているよ。
ぱいーぐるもその一助になれればと今回の「カンムリワシ守り人プロジェクト」を考えてみたよ!
みんなも「カンムリワシの守り人」として「守り人の恵」の想いを受け取って、カンムリワシの保護活動を手伝ってもらえたらうれしいなー!
もう一つお願いがあります。
石垣島や竹富町の島々をドライブする際は、どうか
法定速度で安全運転をお願いします!
カンムリワシは結構いろんなところで見ることができます。朝夕は特に気をつけて安全なドライブで行きましょう!
そして、もし交通事故にあっているカンムリワシや、弱っているカンムリワシを見つけた時は下記の協力機関に連絡してもらえるととっても助かります!
▼石垣島
環境省 石垣島自然保護官事務所 TEL 0980-82-4768
石垣市教育委員会 文化財課 TEL 0980-83-7269
▼西表島
環境省 西表野生生物保護センター TEL 0980-85-5581
足環やウイングマーカー標識を装着した個体を見つけた場合の目撃情報をお待ちしています!
▼石垣島
カンムリワシ・リサーチ Mail yonnayonna470@gmail.com
▼西表島
環境省 西表野生生物保護センター TEL 0980-85-5581